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2007年9月29日土曜日

ブルースカイはラノベといわれてもおかしくない

2 件のコメント:

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)
桜庭 一樹
早川書房 (2005/10/07)
売り上げランキング: 54619
おすすめ度の平均: 3.0
2 うーん
3 「少女」という概念
1 だからなんなんだ











僕が桜庭さんを知ったのはこの本が最初になる。ちょうど本屋に足を運んだときに、この本が置かれているのを見て、あまりのシンプルな表紙に惹かれて、それ以来気になっていた。
こないだ、ハードカバーのノンフィクションの本を読み終わって、今度は小説でも読もうと思って手に取ったのがこれ。2年ぶりぐらいの邂逅。
んで、一気に読破したわけだが、こういう村上春樹的な物語は僕は嫌いではない。むしろ好きな部類に入る。
中世・近未来・現世を繋ぐ物語だが、まあ展開としては別段特筆するべきものはないけど、近未来の世界観設定が好み。
男は退化し、女が強化された世界。そこには「少女」と言う概念が存在せず、あるのは「青年」と言う概念のみ。

中世では、子供は子供でいることが許されず、すぐさま大人になることが要求された。家事手伝いその他労働力としてだ。そこには「少女」や「少年」と言った、大人への過程は存在せず、ある日突然大人にならされてしまう。
現世では大人への過程の時間が長くなり、「少女」や「少年」と言った概念が生まれる。大人でも子供でもない中途半端な期間。
近未来では、少女は子供にして既に大人であり、少年は大人にしていまだ子供。少年たちは過去における少女と自分たちを投影し、目の前にいる同年代の大人の女性たちを見て苦悶する。

まあ、結構面白かった。文章も読みやすいからサラッと読める。







電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫)
片山 憲太郎
集英社 (2004/09)
売り上げランキング: 33994
おすすめ度の平均: 4.5
5 一見の価値有り!!
4 イライラするけど面白い。
5 本当の電波的

韓国映画の「猟奇的な彼女」とタイトルが酷似しているため、これが出た当初「またオマージュ小説か」と思っていたんだが、茶汰くんがやけに薦めてくるのでついに購入。一気に読破。これは面白い。
先ず、文章が洗練されてることが一番の魅力。こんな読みやすい文章は他にない。だから頭の中のイメージもすぐに出来上がったし、設定もすごくわかりやすかった。
不良男子であるジュウと、電波少女である雨の奇天烈な物語。
舞台は普通の高校だが、それを取り巻く社会が異常。あらゆる犯罪が跋扈する社会。まるで「時計仕掛けのオレンジ」のようだ。
その犯罪の一つがジュウの身近に起こり、犯人探しをしようとするのだが…というストーリー。こういうのをジュブナイル小説って言うんだっけ?まあこういうタイプのものを読みなれてる人であれば、展開は平凡だと思うだろうけど、卓越した文章力とポリシーの貫かれたキャラ設定、哲学的なセリフ回しなどを楽しむには一品だと僕は判断する。