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2008年4月5日土曜日

『硝子球のように、透き通った永遠の合わせ鏡…罪人は、少女の瞳の中に、ただ世界を見ると言う…』

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社会人最初の週末だだだ!
研修中とは言え、いや、あるいはだからこそ、帰ったら疲れてバタン&Qなワケです。9時間ずっと講義を聞き続けるってのはなかなかにしんどいものですよ。
まあそれもちょうど折り返し地点で、あともう半分過ぎたら正式な配属が決まるのでもうちょっとの辛抱だ。
一応僕はシステム屋になるんだけど、説明聞いてる限りあまりに巨大すぎる規模でむしろ笑えた。
しかし、あんまり会社のことについて日記みたいに書くのはやっぱり良くないな、と思うのでこれからも殆ど書かないようにします。コレを見てる友人たちは僕が何処に勤めているか知ってるわけだし、抽象的なことを書いても何か掴まれると守秘義務に反してしまうので。やっぱそこはちゃんとしないとね。
最近よく思うのは、綺麗事ってのはある種の真理性を含んでいるということ。
「会社の利益のために尽力」だとか「社会貢献のため」だとか言うと、前(って言っても3年前より前のことを指すけど)は『結局は自分のためなんだろ?』と息巻いていたが、たとえばその『結局は自分のため』って言うことを完全肯定して他の言い方に懐疑的になる姿勢って言うのは、ハッキリ言って長持ちしない。『自分のため』って言うのが極めて流動的なためだ。自分に対する利益・幸福なんてものをキチンと定義し続けることが大前提になるから、少しでも自分に疑いを持つだとか、生き方を変えるとかすると、すぐに持つ意味が変わってしまう。
だけど、『会社の利益』や『社会貢献』って言う綺麗事は基本的に持つ意味が変わらない。というより、意味を持たないまでに抽象的だ。それでいて確固たるものでもある。『他者のため』と言う言い方も然り。
自分自身が相対的なものなんだったら、取り巻く外部のことを先行させ基準にしたあと、自分にとっての何かを考えればいいんじゃないか、と言う意味において、上記で言う綺麗事はある種の真理性を含む、と僕は考える。
もっともっと端的にかつ平たく言うと、自分は自分の支え足り得ない、と言うことかな。良くも悪くも、周りによってしか自分というものを維持出来ないのが悲しきかな人間ってことで。

まあそんなこんなで週末だ。ゆっくりするか。

てかタイトルにもなってるが、サンホラの『澪音の世界』の歌詞を聞いてて新たな解釈が生まれてwktk中。今まで何も考えずに聞いてたんだよなこの曲はwセリフ回しの上手さだけに気を取られて、世界観をまったく気にしてなかった。
『死』とは...精神に先行して
まず肉体に依存する感覚から朽ち果てるものらしい
なればこそ人間は散々忌避し逃避を企てながらも
招かれざる死の冷たい接吻に耐え得るのだろうか…

絶え間ない恐怖感が雨となり降り続けるという幻想
それは...生きながらにして精神を壊されてゆく苦痛
硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡
罪人は少女の瞳の中に唯『世界』を見るという…

百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り
憐憫...侮蔑...的外れな嘲笑...謂わば対岸の火事
燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる
この世界で何人が罪を犯さずに生きられると言うのか…
この部分なんだが、今まではなんとなく「すげえうまい歌詞だなー」なんて思いながら聞いてたんだが、よく聞いて見るとこれは盲目の澪音の目を覗くある男の独白に近いものなんじゃないかと思い始めてきた。たぶんこのセリフの前の歌詞にも絡む部分があるんだが、何らかの理由で「絶望」した男が、澪音の目を見た瞬間に悟ったことなんじゃないかと想像する。
『硝子球のように透き通った永遠の合わせ鏡』って言うのはもちろん澪音の目のことで、その盲目の目に映る自分の姿とそれを取り巻く世界を見て、『百聞は一見に如かず 千聞とてまた然り』という今までの行動を恥じ悔いる念に駆られ、『燃えるまでは熱さ解らず 燃えてからでは遅過ぎる』と、既に取り返しがつかないことを悟ったんじゃないかと。
つまり澪音の世界とは、自分自身を映す鏡の比喩だと言う推測。
薄氷色に煌く瞳が鮮やかに朽ちる世界と
堕ちてゆく狂夢に唇を重ねて...残酷な死神になる…

地に蔓延りし我ら罪人の群れ
願わくば...君が澪音の世界に囚われないことを…
一番最後のこの歌詞は、自分自身を映す鏡の目を持つ澪音に、男が自分の贖罪のために付き従うと決意したと解釈する。「鮮やかに朽ちる世界と堕ちてゆく狂夢」というのは、今までその男が絶望していた世界のことで、残酷な死神と言うのは、男が死ぬまで贖罪に付き合わなければならない澪音のことを指す。
そして、澪音の目から見る世界では、誰もが罪深い罪人だが、それは澪音の目を見るまでは本人たちは気付かない。だから、「願わくば...君が澪音の世界に囚われないことを…」と締めている。

澪音の世界は奥が深いなー。ていうかサンホラが奥が深い。