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2010年12月1日水曜日

アステロイドブルース

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明日、NASAが地球外生命体についての会見を開くわけだが、僕もちょうどこないだNASAの中の人が書いた『生命と非生命の間』を読み終えたばかりだし、ひとつ記事を認めるとしよう。
こないだなんて、NASAが火星への片道切符を買ってくれる人を募集していたぐらいだし、きっと何かあるに違いない!!

僕ら人類は当然ながら、地球の生命体しか知らない。地球上の生命体は全てDNA生命なので、僕らが生命体というとき、言外にDNAの存在を前提としている。
が、宇宙人を含めるために、生命体の定義を「代謝して、繁殖する」としたとき、必ずしもDNAが基底になくても良い結論に至る。

どういう生命があるのか?一部のウィルスに見られる、DNAを持たない「RNA生命」は実際にいるし、SFでお馴染み「珪素生命」もいるかもしれない。
どういう形態を取るにせよ、生命として必要不可欠にして最大の難問は、細胞の形成なんだそうだ。
RNAは化学的に、自然発生する確率がなくはないが、分子が恐ろしく不安定なので、発生した瞬間核膜に閉じ込めておく必要がある。
DNAは化学的に安定しているらしいが、あの例の二重螺旋の塩基が自然に出来るのは、ハリケーンが家屋をばらばらに張り裂いたらボーイング787が出来てましたってよりもっと低い確率で、簡単に言うとありえないらしい。

地球でありふれた生命はまさに奇跡だが、その奇跡が他の惑星でも起こった可能性が高い、というのは各種の惑星探査機が挙げたの驚くべき成果だ。(論理的に考えると、無数にある星の中で地球だけが生命を持つ星なわけがないのだけれど)
生命がいる、またはいたとされる惑星は、太陽系内じゃあ金星・火星ぐらいで、あとは土星の衛生タイタンと、木星の衛星エウロパと考えられている。ほかはほぼ全滅。アステロイドベルト以遠はガス惑星ばっかりのようだし。

金星は温室効果ガスをこじらせた灼熱の死の星だが、二酸化炭素と二酸化硫黄の雲の中で生命が発生する可能性があるそうだ。
火星は今は冷たい死の星だが、何億年も昔には地球に似た環境だったかもしれないと言うことで、少なくとも化石ぐらいは見つかるんじゃないかと思われている。
タイタンは偉大な探査機カッシーニさんが着陸して画像を撮影したぐらいにはしっかりとした地表もある衛星だが、恐ろしく寒い。だが、メタンの雨が降ったりするようなので、偉い人はそこに生命の活路を見いだしている。
エウロパは何kmもの厚さの氷に覆われた衛生で、内部には水があるだろうと予想されている。水があると言うだけで生命の活動場所の候補に挙げられるぐらいだが、氷にドリルで穴を開けて釣竿を垂らしていたら生命が釣れた、なんてことにはなりそうもない。なにしろ水がありそうなところには太陽の光はほとんど届かないので、地球の深海で見られる例の硫化水素やメタンを栄養源をして生きている生物のような生命体を期待する声が多い。

と言うように、人間の手の届く範囲だけでも、化学的な可能性は捨てきれないと言うのが理論的な結論となっている。

明日の地球外生命体についての会見の内容は何だろう?
1.火星で生命の化石があったので移住してみます
2.地球へ飛来してきた生命体が見つかりました
3.惑星探査機についていたクマムシか何かが地球外で生きていましたので人類のせいでパンスメルミアが起きました
4.地球外から、知性の片鱗が見られる電波信号が届きましたが文字化けしてました

全ては明日だ!

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