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2012年10月25日木曜日

仕事の人への依存の典型

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これは書かずにいられない。今日の仕事は丸投げが酷かった。
僕の社畜自慢とか、そういうのではなくて、単に業務の人への依存、つまり属人性とか、あるいは管理者と平社員での意見での相違、組織内でのジレンマであるとか、そういったことが濃縮された日だった。とにかく色々板挟みで疲れたね。

登場人物は、僕、先輩、後輩、上司、上長、課長、部長、宮崎主任、宮崎部長、外注業者さん。

僕は10月頭から先週まで福島県に仕事で出張していて、久々に本社へ出社したのは一昨日の月曜日の話だ。

昨日の火曜日、上司と打ち合わせして、現在のタスクやスケジュールを確認していた。
その結果、僕は福島県の仕事に全力投球しなきゃならないという結論に至ったわけだ。
後輩はまた別の仕事、先輩も別の仕事。

ここまではいい。
その打ち合わせが終わってから、宮崎に出張させている業者から連絡があり、こう言った。「システムの本番稼働は、明日になりました!」

あっそう、僕はついぞ先週まで福島にいたから、その仕事の進捗は知らないなあ。ま、システムリリース作業は業者さんだけじゃ責任問題になるから、最低でもうちの会社の人間がやらなくちゃならない。僕は全然噛んでないし、宮崎の仕事は上司と先輩がやってたはずだから、なんとかするだろ。
そう思ってたら、上長(上司じゃなくて!)が一言、「水上くん、状況が状況だから、ちょっと明日は全力で宮崎の仕事をやってくれたまえ。先輩君だけじゃ不安だからさ、問題起こしても大変だし」と言った。

あ?じゃあ何か?宮崎の仕事をやってきた先輩や上司がやるより、福島県帰りの、宮崎の仕事をやってない僕がやるほうが問題にならない可能性のほうが低いってか?そりゃあ光栄なことですね。で、問題は、宮崎のことをしてたら僕の福島の仕事は少なくとも2日は止まります。確実です。避けられません。それはどうすんですかね。そりゃ、僕は場数だけは踏んでるんで、土壇場でもなんとかできると思いますけど、計画って大事ですよね。
「とにかく、明日のチャンスを棒に振るわけにはいかないから、頼むよ、先輩君の管理者的ポジションでいいからさ」。はあ…あとのこと知らねーぞ…。

それが昨日の22時の話。

そして今日。
朝から部長が騒々しい。
部長「ちょっと水上、宮崎の部長から電話かかってきたんだが、システムにまだ問題があるから切り替えは出来ないって言われてるぞ、どうなってんだ」
僕「はい、昨日の夜時点で、合計7つの問題があることがわかっています。そのうちで、今日の11時までに直す必要があるのは5つです。2つはただちに影響しないため、後日でOKです。これは支店にも了解を得てます。で、これは危ない橋なんですが、宮崎と上長が決行すると言ってるので、僕と先輩で協力して15時までに切り替えを終わらせます。」
部長「11時までに完了するという目処、根拠は?」
僕「申し訳ないんですが、福島から帰ってきたばかりで、僕は詳細を把握していないというのが実情です」
部長「誰が把握してる?」
僕「上司と、先輩がやっていましたね。」
部長「先輩、11時までに出来るのか?」
先輩「はい、なんとか…」
課長「水上、押し付けるようですまんが、関係者と足並み揃えながらフォローしてやってくれ。」
僕「…なんとか努力してみます。けど、海外とか福島とかの仕事はストップしますよ、確実に。」
課長「そうだな、とりあえず後の話は後で考えよう」
僕「…わかりました…」

そんなこんなで、いきなり宮崎のシステムの切り替えをやらされることになった。

で、見てみると、テストしてないよね?ねえ、テストしてないよね?って内容。大部分の機能はいけそうだけど、明らかにエラーになるデータとかあるんだけど。一回やればわかるよね。

僕の内線が鳴った。
福島の主任「水上くん、ちょっと問題がおきてるんだ、すぐに直さないとまずいからすぐに直してもらえるかな」
僕「申し訳ありません、すぐに調査して、直してまたご連絡します」

福島でトラブルだ。明らかにそっちを先にやらないといけない。

1時間、僕は福島のトラブル対応をした。先輩と後輩と常駐してる業者さんに指示をして、宮崎の仕事が止まらないようにする。

10時。外線電話が僕に繋がれた。
上長「宮崎の対応はどうよ?うまくいってる?」
僕「5つの改修を先輩と後輩に振ってます」イライラしながら言った。
上長「水上は?」
僕「福島で問題が出たので対応してました。まもなく終わるので宮崎のフォローに入ります」
上長「すまんけど、よろしく頼むよ。なんとしてでも宮崎は切り替えたい。これを逃すと次の機会があんまりないんだ」
僕「そうですね、わかりました」

すぐに宮崎から内線。
宮崎の主任「改修はどう?終わったらすぐ言ってね!あと、13時から切り替えの話でこっちは進んでるから。こっちの部長とそっちの部長は色々気を揉んでるみたいだけど、僕としても今日のチャンスは逃したくないんで、よろしくね!」
僕「終わったらすぐに連絡しますね」

先輩と後輩のフォローをしながら、13時からの作業の確認。ぶっつけ本番かよ、クソ…やりたくねえ…。

10時30分。
課長「状況は?」
僕「福島の対応をしてたんで、僕は今からやります。改修は先輩と後輩にお願いしてます。」
課長「大変だと思うけど、急いで直したものがバグを呼び、それがまた焦りを生み、負のスパイラルになることはよくある。水上、先輩が出来たらお前がテストしてやってくれ。それから宮崎に連絡だ。」
僕「…え!僕がですか…………?はあ…わかりました……なるべく見ます。」

この時の僕のどうしようもない苦笑いは人生のトップ3に入ると思う。仕事には、お願いしても物理的になんともならないこともあるってわかってる?まあ、平社員の僕に出来ることは最大限の善処だけなんだけどさ。つまり意見は出来るけど拒否権はない。そして今は意見してる時間がない。

10時50分。おいおい、あと10分で約束の時間だぞ。
僕「先輩、どうですか?3つの改修の進捗は?」
先輩「今一つ目が終わったよ。今、ほかの部分に影響がないことを確認してる。」
僕「…了解です、ほかのは?」
先輩「…まだ。でも原因は、わかった。これが原因だった。」
僕「…これは、時間かかるんじゃないですか?」
先輩「うん…そうなんだ…」
僕「……とりあえず今取りかかってるやつを完璧に仕上げてください。あと、それが終わったら宮崎に連絡…あー、いや、いいです、終わったら僕に見せてください。確認しろって言われてるんで。」

11時。
課長「水上、約束の時間だが、終わったのか?」
水上「いや、間に合いませんでした。」
課長「どうするんだ?」
水上「とりあえず僕は切り替えの準備を進めます。ギリギリまで先輩には改修をしてもらいます。」

喋ってたら外線。上長だ。
上長「終わった?」
僕「間に合いませんでした。切り替えは続行なんですよね?」
上長「やれるだけやってくれ。水上が改修したほうが早いんじゃないか?」
僕「僕が改修してたら誰が準備するんですか!」
上長「先輩にやらせたら?」
僕「それがリスキーだから僕がやってるんですよ…ところで、課長とか部長は危ない橋は渡るなと言ってますが」
上長「失敗したら諦めろ。それまでは頑張ってくれ。」

電話を置いた。

部長「水上、終わったんか?」
僕「まだです。まだあと90分かかる見込みです。最悪、切り替え作業と並行してやります。宮崎にも話はつけています。」
部長「今日を逃すと全体にどんな影響が出るんだ?」
僕「明日に切り替えることになりますが、そうすると明日切り替え予定だった別のシステムの稼働日が来週になります。」
部長「それでもいいんじゃないの?リスクを取って危ない橋を渡っても、トラブルが起こったらそれを始末して体制立て直すほうが大変だぜ」
僕「僕もそう思うんですが、宮崎主任と上長がやれと言うんで、僕はやるしかありません…」
課長「ここにいない上長のことはほっとけ!ちょっと宮崎主任に連絡する」

課長と宮崎主任が話をした結果…
課長「とりあえずやるだけやって、無理なら切り替え日を変更しよう。無理だった場合の対策はとっておくようにな。」

なんも変わらんかった。これを俗に時間の無駄という。

昼休み返上で仕事をする僕ら。先輩の改修はなんとか13時に間に合った。

13時になったので、切り替え開始。

僕の作業は幸いスムーズに進んだ。
けど、先輩がこのまま切り替え作業をしないってのも癪だ…
僕「先輩、僕の作業が終わったんで、システムのチェックをお願いしていいですか?僕は止めてる中国の仕事があるんで」
先輩「わかった、チェックします」

部長がまた来た。
部長「結局どうなった?」
僕「システムの切り替え自体は完了しました。今は先輩に最終チェックをお願いしてます。」
部長「おっ、終わったんか!そーかそーか」

課長が来た。なんで同時に来ないの、あんたら

課長「どない?うまくいった?」
僕「先輩に最終チェックしてもらってます。」
課長「宮崎に連絡して、完了したら連絡をしてくれ」

先輩は14時40分にチェック完了。
なんとか時間内にシステム切り替えは出来たけれど、体制に問題があるのが浮き彫りに。

僕としては、先輩の能力への疑問を、上の人が持ってくれたのが幸いかなと。生産に直結するシステムを扱うには、先輩は性格と能力が違う気がする。

会社は、社員教育だOJTだなんだというけど、向上心も危機感もないような社員に対する教育は奏功しないし、コスパが悪すぎる。
人それぞれ、合ってる仕事合ってない仕事があるんだから、それを見極めて会社側も採用活動をしないと、組織としての新陳代謝が悪くなると思うんだよな。まあ、似たような人ばっかり集めるのも良くないけど。そこはバランス。