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2008年2月28日木曜日

NGNとIPv6インターネットは併用できないって知ってました?

NGNってだいぶ前に出てきたときには、「おお」と思ったりもしたけど、なんか段々実情が伴わない広告になってきてたり。うまく行くんでしょうか。見切り発車にならないことを祈るのみ。
どっかの雑誌に書いてたけど、NTTって結構内部での面倒事が多いらしくて、端的に言うとちょっと統制の取れてないところがあるらしい。


 2008年3月末,NTT東西地域会社は,いよいよNGN(Next Generation Network)サービスを開始する。その東西NTTのNGNサービスと,IPv6インターネットが併用できないことをご存知だろうか。


 もちろん東西NTTは,NGNでも従来のフレッツと同等のプロバイダとの接続サービスを提供する。プロバイダのIPv6インターネットとも接続できるようになるはずだ。しかし実際にNGNとIPv6インターネットを併用しようとすると,1台のパソコンにNGN用とインターネット用のIPv6アドレスが割り当てられる「IPv6マルチプレフィックス」という現象が発生する。この結果,2つのアドレスの使い分けがうまくいかなくなり,正常に通信できなくなるのだ。


 しかし,NGNが多くのユーザーに受け入れられるようになると,事情は変わってくる。NGNを導入したがために,インターネットではIPv6を使えないというユーザーが相当数出てくる可能性がある。


 検討が進まないのは,「NGNのIPv6ネットワークが閉域網なのは日本特有の構成。このためIETFで深刻な問題と認知されない」(インテック・ネットコア IPv6研究開発グループの金山健一研究員)という事情もあるようだ。結果として東西NTTのNGNサービスは,IPv6マルチプレフィックス問題を先送りしたまま始まってしまうことになる。NGNとIPv6インターネットを併用したいユーザーは,当面,NGN用のLANとIPv6インターネット用のLANを分けたり,IPv6インターネット利用時にはNGNのIPv6接続を止めるといった自衛策をとる必要がある。


 いずれにしてもIPv6マルチプレフィックス問題は,政策や事業者間の利害も絡む複雑な問題として尾を引くことは間違いない。解決にはまだ時間がかかりそうだ。記者としては,解決策が施されない間にNGNとIPv6インターネットが普及し,ユーザーがNGNとIPv6インターネットのどちらかを選択しなければならないような状況に陥らないことを祈るばかりだ。

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