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2008年3月23日日曜日

『地下道に響く神の声を 麻酔銃片手に追いかけた』

色々してたら大変遅くなりました。
前回の続き。

帰宅してデジカメ内の画像をFlickrにUPした後、3時間ほど仮眠を取った。夜行バスでぐっすりと寝たとは言え、椅子の上での睡眠では体の疲れがあまり取れていなかった。
仮眠後、スキー板を物置から出してリムーバーをかけ、エッジの錆を取った。最低限のメンテナンスだ。あとはウェアやらブーツやらを確認して、夜に備えた。

夜。Dと合流し、途中で戯言遣いとも合流して、夜行列車に乗り込む。前回行ったのと同じ列車だが、人は前より少なかった。理由は簡単。3月はもうスキーとしては春スキーという部類に属し、厳密に言ってシーズンを外れているからだ。
列車に乗り込む前、どこに荷物を置いて待機するか、と言う話になったとき

D「向こう側にはどうやらスノーボードが置いてある…おいお前ら、経験的に考えて、スノーボーダーは単独よりも群れで行動する可能性のほうが高くないか?」
僕&戯言遣い「そう思う」
D「となると、向こうの列には今は人が少なくてもしばらくすると小団体で来るだろう。今置いてるボードは、まあ場所取りだろうな。よし、ここに荷物を置いて待機しよう」

Dの洞察のとおり、15分ほどするとスノーボード客と思われる6~7人の小団体が現れた。なんとも慧眼だ。

前回よりも空いた状況だったので、僕らが大富豪を行うには環境的に良かった。荷物さえなんとか出来れば、ゆったりしたスペースでトランプを広げれるのだ。
しばらく大富豪をして、恐らく福井あたりで就寝することにした。こんなにも早く就寝するのにも当然理由があって、明日晩合流する予定の3人が加われば、当然夜を徹しての騒ぎとなることは疑えないだろうからだ。ここで無駄に睡眠時間を削るのは明日と明後日のことを考えていない無謀に過ぎない。如何に、無駄無理無謀を金科玉条としている僕らにしても、限界ぐらいは弁えるべきだろうて…。

起きればそこは雪国。直江津駅でローカル線に乗り換えて、もう何度もお世話になってる妙高高原駅に到着。
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ここでバスが来るまで時間を潰さねばならなかった。若干1名寒いと言ってる軟弱者がいたが、大阪に比べれば雪が積もっていても全然寒くはなかった。半袖で過ごせと言われれば無理だけど。
そして暇な僕らはとんでもないものを目にすることになる…!
DSCN1632
『11月1日より、タングラムシャトルバスはJR黒姫駅に変更となりました』

うおい!僕らはこの看板の対象者にはなっていないが、もし対象者なら号泣どころの騒ぎじゃない…wせめてこういうことは駅の構内で告知しておいてくれないと大惨事になりかねんぜ…地下鉄御堂筋線のように頻繁に電車が来るなら良いんだけども。

しばらくして来たバスに乗り込んだ。心なしかJDが多かった気がする。もう春休みだからだろうか。
バスを降りて雪道を少し歩いたところに、今回宿泊予定の旅館がある。
DSCN1633
この旅館は、実は利用するのは2回目だ。大学1回生のころ、みんなでスキー旅行に来たときに泊まりに来た経験がある。そのときにかなり気に入ったので今回も利用することにした、と言うことだ。何が気に入ったのかと言うと、一つ目にご飯の豪勢さ、二つ目にゲレンデへのアクセスのしやすさ、三つ目に源泉かけ流しの温泉が内設されている、と言うことである。特に三つ目はほかの旅館にはなかなかないようなものなので貴重だ。朝風呂に源泉かけ流しの温泉に入れるとかマジ贅沢だからな…!

チェックインは出来ずとも荷物を置くことは出来る。とっとと用意をしてゲレンデへ。
初日は僕とDと戯言遣いの3人だけだった。もう今シーズン何度目なんだよ、ってぐらい今冬は来てるので、ガスガス滑った。
妙高赤倉スキー場は非常に横に長いスキー場で、リフトをいくつも乗り継がないと滑走効率の良いゲレンデまでたどり着くことが出来ない。
そのゲレンデはゴンドラ沿いにある。ゴンドラを1本乗るだけで、約4kmもの滑走を楽しむことが出来るようになるのだ。と言っても、それなりにそのゲレンデは斜度があるので初心者はそこまで多くはない。
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今回も、向かい側の山が綺麗に見えるほどの良い天気だった。僕は晴れ男なのだ。
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テンションめちゃあがる。

途中、こっちへ向かってきているEから、「列車事故で遅れている。また連絡する」とメールが入った。
聞けば、金沢付近で車との接触事故があったらしく、動き出すまで1時間かかったらしい。
動き出すのに1時間と言うことは、乗り換えにも当然影響が出るわけだから、結果として数時間遅れることになる…と言うのが恐らく全員の共通見解だった。
もともとは15時か16時くらいには旅館に到着予定だったんだが、18時ごろ到着の見通しに変更。実際、そのくらいに到着した。

まあそれは不可抗力で残念なことなのだが、現地にいる僕らはスキーをする以外に選択肢がない。
昼を過ぎたあたりから少しずつ曇り始めてきて、それでもガスってはなかったので視界はクリアだった。
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時間も近づいてきたので、モーグルコースを通って旅館まで帰ることに。
植村愛子よろしく華麗にクリア…!
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とは残念ながら行かなかった。

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なんとこんな標識が。
まあ、これはコース外滑走を楽しむ猛者のための標識なので無関係だけど。これを無視して滑ったりすると、雪崩が起きたりする。

そうして一日目の滑走は終了。
宿に戻って荷物を部屋にブチ込んで、早速疲れた体を癒すために温泉に入ることにした。ウボァー気持ちいいいぜええええ!!!!
風呂を出ると、ちょうど到着した3人が現れた。10時間ほど移動に費やしていたので疲労困憊の様子だった。その疲労を癒すために風呂にやってきた…と言うわけだ。

みんな何らかの理由で疲労困憊だったので風呂で疲れを癒し、お次は夕飯だ。
ここの夕飯は先ほど列挙したお気に入りポイントの一つ目である。
どう豪勢なのかと言うと、しゃぶしゃぶの食べ放題かステーキの食べ放題が日替わりで食べれるのだ。しかも料金は安い!!(ツアー料金に含まれていたから実勢価格はどんなものか知らないけど)
僕とKは残り4人に比べれば少食。しかしその他4人がよく食べるので十分元は取れる。特に戯言遣いは僕の5倍はよく食べるので、奴一人連れていけばどんなバイキングでも敵ではない。神羅を潰すときにセフィロスがいるようなもんである。
で、相変わらず久々に顔を合わせたとは思えない話が繰り広げられた。なんと言うか…このグループはほんと異端。グループ行動の6割が無駄、3割が無謀、1割が不毛で構成されてる。有益な話とかしたことねえよwwww

部屋に戻ればカオスな時間だ。と言うより、今回はみんなでスキーに来たというよりもみんなで夜騒ぎに来たというほうが正しい。騒ぐためだけに新潟くんだりまで来るというのもどうかと思うがwww
しかし、何の肴もなく騒ぐのも可能だが一部から苦情が来る。
なので近くの店まで買い物に行った。赤倉温泉街は土産物店やらコンビニやらが整っているから助かる。ほかのスキー場だとなかなかこうはいかない。
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おでん缶とかは結構有名だから知ってるんだがカレーうどん缶は初めて見たwwwついドキッぽとなって撮ってしまった。
酒豪であるDとKは持参してきた日本酒を飲み、楓は確か洋酒を飲んでいた。残り3人は無飲だ。特に僕は疲れてるときに飲むとすぐに眠たくなってしまって饗宴を楽しめなくなるからな…。

饗宴の内容は割愛。とてもじゃないが筆舌に尽くせない…。
ただ、今回新しい試みとして面白かったのは『インディアンポーカー』だ。

インディアンポーカーは、プレイヤーが山札から一枚取り、それを自分自身には見えないように他のプレイヤーに公開することで数の大きさを競い合うゲームだ。
他のプレイヤーのカード全てが見えて、自分のカードだけが見えないため、『如何にして強いカードを持つプレイヤーを落ちさせるか』がポイントになる。
つまり、ブラフだ。

もし僕のカードがAで、ほかに見えてるカードが絵札ばかりならば、単純に勝負すれば勝てるはずなのだが、自分がAと言うことは最後までわからない。
だが、他のプレイヤーには僕がAを持っていることはわかっている。そして、僕以外のプレイヤーが絵札ばかりと言うこともわかっている。
そこを突かれるのだ。
たとえばEなんかが「おい直也…この勝負は分が悪いとは思わないか…?こんなに強いカードが揃っているようじゃあさ…特にお前のカードは…おっと、これ以上は何も言うまいて…」
などと話しかけてくるとする。
見えているカードは絵札ばかりなのだから、『強いカードが揃っている』と言う部分は概ね正しい共通見解だ。もちろん、お互い自分のカードは知らないのだからそれを加味しての話だが。
そこでたとえば楓なんかが便乗してきて、「確かに…この勝負は…勝ち負けがハッキリしそうだな」などと言うとする。
僕から見えてるカードは絵札ばかりなので、そんなに勝ち負けがハッキリするワケはない。
だが、楓視点で見れば勝ち負けがハッキリするカードが交じっているということになる。
もしも僕のカードが絵札、あるいはそれ以上なら「勝ち負けがハッキリする」わけがない。強さ的にはよく似たものなのだから評価は「面白い戦いだな」と言うようなものになるはずだ。
となると、僕のカードだけが弱い、と言う可能性が浮上する。

ここで僕が彼らの言に負けて降りたとすると、プレッシャーを与えて降ろすことに成功したEや楓などは、JOKERを除けば最強のカードであるAを降ろしたことになりホッとする。
だが、もしここで僕が「楓がウソをついて僕を降ろそうとしているのか?」と読んで降りないとすると、結果はAである僕の勝ちとなる。

全員が他のプレイヤーにカードを公開したときから、真偽が入り混じった情報戦が始まる。
「強いやつは落とさせる」ことが共通の目標であり、そうして「自分が勝つ」ことが共通の目的である。
発言するプレイヤーAは自分の主観で見た発言が、相手にとっては「Aから見ればそういう意見に取れる」と自分を客観的に見る結果になる。だから発言には要注意なのだが、ここで重要になるのが「ウソ」だ。
相手に「Aから見ればそう言える」と思わせることに成功すれば、ウソの情報を用いて強い落とさせることが可能になる。

ウソが特に有効に働くのは、カードの優劣がハッキリしすぎている場合だ。
僕がAのカードを持っていて、EがQのカードを持っているとして、ほかのプレイヤーが3とか4とか5とかの貧弱カードばかりであった場合を考える。
Eから見れば、僕だけが突出してAのカードを持っていて、ほかのプレイヤーは軒並み弱い。E自身はどうかわからない。
だからEはこういうウソを言う。

「今回はみんな引きが悪いな」

しかし、僕から見たEは強いカードを持っている。他は全て弱い…。
もしもあの評価が正しいのだとすれば僕まで弱いカードを持っているということになり、勝負に出たとしても確実に負ける。
ウソをついてる場合にしても、誰に対してのウソなのかがわからない。皆、自分のカードだけがわからないという点では同じなのだ。
だから楓視点でE以外のカードが弱いのであれば、Eの発言は自分に対するウソだという風に楓は受け取るだろう…。
さらに、Qのカードを持つEに勝てるのはキングかエースのみ…。確率的に考えてここは降りるのが得策か…

と、ここまで考えて僕が落ちれば、Eの作戦は大成功と言うことになる。
自分がウソをつくときは、聞いている相手が、発言者の立場を想定して言っていると考えていると思わなければならない。

もっとも、裏の裏の裏の…と考えればキリがないわけだが、キリがないのは考えだけであって、突き詰めればどこかで襤褸が出る。
…実際問題このメンバーは襤褸がなかなか出ないが。

さて、インディアンポーカーではJOKERを含めて合計53枚のカードを使用する。
それを、今回なら5人で分配するわけだから、最強のカードであるJOKERが場に出る確率は5/53。10回勝負の中にJOKERが一度あるかないかと言う確率だ。
比較的強いと思われる絵札(J~A)は全部で16枚ある。が、それに比べてもまだ弱いカードのほうが圧倒的に出る確率が高い。

そういうカード単体で比べたときの確率もさることながら、場に出ているカードを眺めた上での自分のカードを推理する確率、と言うのがあまりに膨大すぎて、ハッキリ言って他者の反応以外に手がかりがないと同じような状況なのだ。
だから、カードの枚数を減らすことにしたと言う発想に至るのは今考えてみれば当然の発想だった。

カードの種類を1種類に絞ったので、カードの枚数はJOKERを含めて14枚。
JOKERが場に出る確率は1/14。絵札は4/14。
そういう状況にまでルールが改定されたので、自分以外の見えてるカードと、他の人の視線や言動から、かなり推理しやすくなった。
自分以外の4人の手札が全て絵札ならば、自分が勝負に出たところでAじゃないと勝てる確率は低いのだから、降りたほうが得…と言う計算が働く。逆もまた然り。

人間の心理として面白いのは、確率よりも偶然を信じてしまうということだ。
たとえば上記の例で言うと、自分以外が全て強いカードを持っていると、確率的に考えると自分のカードは弱いはずなのに、どうしても「自分も強いカードを引いてるんじゃあないか」と言う錯覚に捉われてしまう。
じゃあ現実はどうなのかと言うと、どっちもどっち。確率で考えたことが当たってる場合もあるし、偶然みんな強いカードだった、と言うこともある。
シュレディンガーの猫じゃないけど、自分のカードを見るまでは中身はわからない。
ヒントがあるのは、確率でも偶然でもなく、ただ自分のカードの内容を知る他者の反応のみ。

インディアンポーカーは、一見するとアホなゲームのように見えるが、ちゃんとルールさえ遵守すればなんとも知的な心理戦へと様相を変ずるのだ。

午前2時を回って、翌日遠方へ車を運転して帰らなければならない楓はさすがに就寝することに。
残った4人もしばらくポーカーやらやってたが就寝することにした。ぶっちゃけ完徹して遊んでも良かったんだが、翌朝またスキーな半日が待っているのだ。帰りの電車でも遊ぶだろうし。

6時に起床したとき、恐らくもっともスッキリしていたのは、もっとも早く就寝したDだろう。たっぷり6時間ほど寝たはずだ。
それ以外は大体3時間半~3時間程度。それでも気合を振り絞って朝風呂へ行き、天気の良い妙高山を見てリフレッシュ!

支度を済ませて6人でスキー場へ。
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最高の天気だぜえええええええええ!!!!!
むしろかなり暖かいぐらい。ほぼ汗ばむ陽気。
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僕や辻やDはシーズン中何度も滑っているので練習の必要もないが、他の3人は久しぶりだということで足慣らしにやさしめのゲレンデへ来て、直滑降前にパシャリと一枚。

午後から電車に乗って帰阪する予定だったので、滑るのは午前中だけだった。
昨日僕とDと辻の3人が主に滑っていたゴンドラ沿いの長距離ゲレンデへ移動して、そこで1時間半ぐらい滑っていた。ゴーグルをしていたけど、青と白のコントラストが綺麗だった。
12時前に昼食を食べて、それからは宿の近くのゲレンデまで移動しながら滑走。
人目につかない場所を見計らって集合写真…と呼べるものかどうか。タイマーで皆写ってはいるんだが僕の胴体には埋められかけた証拠としての雪が乗っかっていて、楓に岩石みたいな雪塊を落とされそうになってる一枚である。
まあうまいことタイマーが働いたみたいで良かった。

宿に戻り、とりあえず最後の風呂。よく風呂入るなあと思われるかも知れないが、スキーのあとは風呂に入らないとヤバイのです。色々と。

E「おい直也の体の垢がこんなにあるぞ。たまにはちゃんと風呂に入れよ」
僕「おっとすまない…なにせ3日ぶりなもんでな…垢も出るさ」
戯言遣い「お前ら汚いぞ」
E「おい、俺はほんの一週間ぶりだ。直也と一緒にするな」

※)この源泉かけ流し温泉では、『湯ノ花』と呼ばれる温泉成分の結晶が浴槽内にプカプカ浮いててそれが垢そっくりなのだ。

上記の会話の中身はフィクションです。ちゃんと風呂は入ってます。Eはどうか知らないけど。

それからは荷物のまとめをして帰阪。電車の中では相変わらず大富豪をしたが席が離れててやりにくかった。
用事のある福井駅で戯言遣いが降りて、他の皆は大阪駅で解散。

次はいつ会えるのか…と思ったけど、たぶん結構な頻度で会うんだろうなあ、と思うと最後の締める言葉もうまく出ねえや。
その証拠に、この二日後、僕と戯言遣いとEは奈良県までテニスをし、ボーリング11Gをやる予定を既に立てているのであった…

To Be Continued...
としたいところだけど11日のことは別に特筆することもないから書かないw
テニスを朝から2時間して腰を大変痛めたのだが、それでもめげずにボウリングを続けていたらスコア196なんて調子良いときでも出ないようなのが出て隣の女子中学生のリーダー格の子が結構上手かったって言う話だけだ。
単なる日常。されど日常。
だけどそういうことももう終わり。馬鹿できる学生身分ももう終了。
これからは何かが変わっていくんだと思う。でもまあ、皆で集まったときぐらいは常に同じ勢いでありたいものだね。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

上村愛子もたまには転ぶ。

水上直也 さんのコメント...

そんな上村愛子も悪くない。