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2010年12月19日日曜日

すーぱーそに子ェ・・・

すーぱーそに子は確かにエロ可愛い。
でも、本文はすーぱーそに子とは違う内容なので悪しからず。すーぱーそに子ファンの人はごめんなさい。

2年近く前から、科学史系の読み物にハマっている僕だが、今はコレを読んでいる。

そして世界に不確定性がもたらされた―ハイゼンベルクの物理学革命
デイヴィッド リンドリー
早川書房
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量子力学の基礎である不確定性原理にまつわる、ヴェルナー・ハイゼンベルクに焦点を当てた本書。
やっぱり、心躍る科学史の年代は1850年~1940年ぐらいで、戦国時代ぐらいの群雄割拠っぷりを誇っている。
ニュートン無双だった17世紀以降、新たな科学を創世した、ジェームズ・クラーク・マクスウェルとルートヴィヒ・ボルツマンに端を発して電磁気学と熱力学が大成した。
その後アインシュタインが相対性理論を発表したことでニュートンは墓場へ葬られ、ニールス・ボーアや、本書のハイゼンベルクによって量子力学が台頭し、それ以来現在も科学の最先端としてある。

今の科学系読み物のほとんどは、量子力学の話で終了する。量子力学が発生してから70年ぐらい経つが、今でもその『解釈の仕方』はよくわかっていない。
何故そうなるのか、は全くわかっていないが、とにかく現実世界に応用出来るから、ありとあらゆる発明がされているのが現在の状況。量子を扱う分野については、多大な成功を収めているにも関わらずその原理が不可解なため、『問題待ちの解答』と言う風にも言われている。

ホームラン級の文系の僕でも、数式はまったくわからないが、その量子力学の概念に魅了されてやまないほどだ。
どこにそんな魅力があるかというと、とにかく直感に反していて、今まで学校などで習ってきた所謂『常識』が悉く覆されているところにある。

僕らは子供の頃から、物事には必ず因果関係があると教わってきた。何かが発生するためには、その原因となる何かがないといけない。エネルギーは常に保存されるので、突如何かが発生することなどありえない、と。
が、量子力学では違う。物事の因果関係は破壊され、何一つ決定的なものはありえず、現象は確率的・統計的にしかわからない。突如何かが発生することもありえるし、現実世界では考えられないことがいくらでも起こる。観測することでしか物事を知りえないのに、その観測自体が観測対象に影響すると言う事実。人間は絶対零度を理論によって考案することはできるが、絶対零度を計測することは不可能。絶対零度状態の物質を計測するためには、1K以上の熱が必ず必要だからだ。これが、絶対零度が理論上の産物である理由であり、観測自体が観測対象に影響すると言うことである。

僕らが受けてきた教養において、位置と速度がわかればその物体の未来や過去がわかるが、これは古典物理学の法則だ。アインシュタインが切り開いた現代物理学では、未来や過去と言った時間や空間は相対的なものなので、位置や速度が巨大になると古典物理学の法則には収まらなくなる。
そしてハイゼンベルクが齎した『不確定性原理』は、そもそも位置と速度を同時に知ることなんて出来ない、という恐ろしい原理だ。位置が特定されればされるほど速度は曖昧になり、速度を特定すればするほど、位置が曖昧になる。これはこの額面通りの平易な解釈では許されないということが僕は最近になってようやくわかってきた。が、うまく説明できないのでここでは端折る。
面白いのは、ハイゼンベルクがこの原理に到達した時、位置を元に計算したとある電子の軌道と、速度を元に計算したとある電子の軌道とで結果が全く異なっていた、と言うところだ。確定された同一の軌道ならば、位置を元に計算しようが速度を元に計算しようが、同じ結果が出るはずだが、そうはならなかった。
この結果は、3×4と4×3がイコールにならない『行列力学』と繋がるものがあり、その『行列力学』が弾き出す結果は『確率』だということが前から知られていて、さらに、ハイゼンベルクとは別に、エルヴィン・シュレディンガーと言う有名な物理学者が、電子の物理的な位置は確率的にしか知ることが出来ないと言う波動関数を提唱することで、量子力学は完全に『不確定の世界』だということが証明された。

僕みたいな脳内デッドライジングな男だと、こういう小難しい話は浅くしか理解出来ないのだけれども、少なくとも僕にはこういう話は仕入れておく必要性があるように思える。
そもそも僕が量子力学を知ったのは、科学系の読み物を読むようになったからではなくて、『量子コンピュータ』が未来のコンピュータとなるだろう、と雑誌で読んだからに過ぎない。だから、コンピュータを専門として仕事をする僕にとって、『量子コンピュータ』は避けては通れないものだ。
最も、『量子コンピュータ』が生きているうちに実用化されるかどうか、と言うのは賭けだが、僕は実用化される方に賭けたい。オール・インでね。

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