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2008年2月16日土曜日

時代的なアレコレ

プリンスホテルの不使用呼びかけ 連合

プリンスホテル側の言い分(※PDFファイル)
このような状況、タイミングで、警察当局の特殊な警備を必要とする集会に会場を提供すれば、周辺住民、お客さまのみならず多くの方々に取り返しのつかないご迷惑、被害・損害を与えて
しまうことになったと考えております。先方には、教職員の組合の集会として、学校や病院、住宅が集まる高輪での開催の現実性や入試に甚大な被害を及ぼす可能性を考慮していただきたかった、というのが当社の率直な思いであります。
というもの。

対して教職員組合のほうは
日教組は2月2日(土)から4日(月)の3日間、東京で第57次教育研究全国集会を開催するため諸準備を進めてきました。
昨年の3月には全体集会会場としてグランドプリンスホテル新高輪に会場使用を申し込み、予約金を払うなどして10月末まで打ち合わせ等を進めてきました。しかし、11月はじめに突如、会場予約を白紙に戻すとの通告が一方的にされました。
日教組はグランドプリンスホテル新高輪が契約の一方的破棄をするのか承服できないため撤回を求めて、12月4日に東京地方裁判所に対し「仮処分命令申し立て」を行いました。
そして、東京地裁(07年12月26日、08年1月16日)、東京高裁(08年1月30日)で3度の司法判断でも日教組の主張が認められています。
日教組は契約どおり会場を使用させるよう最後まで話し合いをしましたが、ホテル側は司法判断を無視して「契約解除は撤回しない」との回答に終始しました。
こうした経過の中で、準備の時間を考え、2月1日に日教組中央執行委員会として、「全体集会」中止の決断をせざるを得なくなりました。
とのこと。

ちなみに前年度、大分県で開催されたときですら、他県の応援も含めて1300人の警備体制が必要になったらしい。すごいよな。(後で引用を示す)

では、実際の衛星写真で比べてみよう。初期縮尺がおかしいので拡大してください(´・ω・)

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これが大分県別府市にあるビーコンプラザ付近の写真。


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これが東京都の品川のグランドプリンスホテル。


仮に、もし仮に、大分県と同規模の警備体制が敷かれるとしても、プリンスホテル側が懸念することは理解できる。
だから、西日本新聞の書いている
理解できないホテル判断 教研集会拒否
昨年の大分大会も大分県警が他県の応援も含め1300人態勢で警備し、大きな混乱は起きていない。お客である日教組側に何ら問題はない。警備する警察と協力して混乱を極力防ぐことこそ、不特定多数の人が利用するホテルの選ぶべき道だろう。
と言うのはおかしいと思う。なんか論点がずれてる。
お客である日教組側に問題はなくても、周辺に影響するようであればホテルの信用問題にすら発展しかねない。
地図で示すような市街地で、1000人以上の警備体制が敷かれ、右翼の街宣車がウロつく中で集会さえちゃんと開かれれば問題がないのか?
そんなことはない。周囲への配慮はして当然だろう。
それに、今は時代が時代だ。今や低脳な僕ですらこうして個人的に、ほんの1時間ほど調べるだけで様々な情報を示せる。
もっと時間があれば、西武ホールディングスの人事や経営による難癖すらつけることが出来る。
もし僕がこの近隣で受験する受験生だとして、周囲の騒音がうるさいと言う理由で受験失敗をブログや2ch等の掲示板で取り上げてあらゆる抗議活動を行うことは容易だ。
そうして飛び火した話題から、果たしてプリンスホテルはマスコミに糾弾されずに済むだろうか?電車の遅延で受験出来なかった受験生が取り上げられていたり、あるいはJRや私鉄の判断で受験生を贔屓したことがメディアに取り上げられてグッジョブされてる事実は毎年のようにある。デリケートな受験関係はとにかく取り上げられやすいのだ。
そういうリスクマネジメント的な意味合いで考えて、僕はプリンスホテルの対応は企業として自然だと思う。確かに、ギリギリになって拒否したのはさすがにマズかったと思うけど。

まあ、面白いのは教育を論じる人たちの集まりである教職員組合側が、教育を受ける側である受験生への影響を示唆されたにも関わらず、緊急抗議声明の中でまったく触れずに法的措置と集会の自由のことばかり話してるというところかな。皮肉なことだよな。

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