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2009年1月5日月曜日

『砂埃にまみれて歩く 街は季節を嫌ってる 作られた安らぎを捨てて…』

僕が5月に両親にプレゼントしたデジタルフォトフレームを、最近あちこちでよく見る。ちょっとだけ流行ってきてるんだろうか?
最初は親も微妙な反応をしていたのだが、半年ぐらい経ってからこのデジタルフォトフレームの効果が発揮され始めた。
SDカード内に画像が少ない初期段階ではスライドショーをしててもカップラーメンが出来るまでぐらいしか楽しめずイマイチなんだが、撮り溜めた画像がどんどん多くなってくる頃になると、数百枚単位でのランダム再生が可能になるから、ちょっと過去の写真を見て和むことが出来るってわけで、そこが大いに喜ばれるポイントとなっている。うちの母親もよく写真を撮るのだが(ケータイでだけどね)、今やいちいち印刷することはせず全てSDカードに格納してデジタルフォトフレームで閲覧、と言うスタイルだ。確かに、現像ってあんまりしなくなったよね。

デジカメがあると、どうしても画像データが滅法多くなる。記憶媒体も安価で大容量になってきているのがますます拍車。
さてそこで疑問が出る。世間の人は、そうして溜めたデジカメ画像は一体どこにどうやって保管しているのか?

①印刷してアルバムに保存
②PCにローカル保存
③CDやDVDに焼く
④SDカードにいつまでも保存
⑤心のアルバムに保存

画像の多さを考えると、①は現実的ではない。いくら1枚あたりの値段が安いとは言え、撮る量を考えるとほぼありえないと言う結論に至るだろう(僕はデジカメ所有者で撮影を惜しんでいる人を見たことがない)。そして「厳選して保存してるんだ!」と言う人は、まあそういないだろう。撮ったら撮った分だけ保存したくなるのが人情ってもんだし、どうでもよさそうな写真にこそ思い出は宿る。

一番多いのは②と③だろう。画像を閲覧するのはやっぱりPCが主流だし、マイピクチャにフォルダ分けして保存している人が多いんじゃないだろうか。その中でも古いものをCDに焼いたり、あるいはPCが壊れる可能性を危惧して全てバックアップを撮ったりなんかしたり。

そう、PCは壊れる。デジカメの保存にあたって一番留意しなきゃいけない点はそれだ。
何年分もの思い出が詰まった画像フォルダも、PCのHDDがクラッシュしたらそれで思い出は霧散してしまうわけだ。いとをかし。じゃなくて、テラカナシス。レ・ミゼラブル。ジャン・バルジャン!

例えば、今の30台後半の人なんかは、子供もある程度大きくなってきて、その子が赤ちゃんの時から撮り続けていた思い出の画像なんかがたっぷり溜まっているなんてことも往々にしてあるかも知れない。その都度バックアップを撮っていればまだしも、奇跡的にPCが長持ちした故に、全ての画像データがローカル保存なんてされていたら、クラッシュと同時にその子供の成長の過程記録が全て吹っ飛んでしまう。親としてはいくらなんでもそれは避けたい事態だ。

だから、ITに強い人なんかはRAID構成でホームサーバを構築したり、色んな方法を採っている。
でも今は違う。
WEBに保存できる。
オンラインに写真をアップロードする行為は、別に単なる写真共有のためだけじゃなくて、写真保存としての意味合いも益々強くなってきている。
オンラインへの写真のアップロードは安心だ。運営サイトがしょぼくて単にWin2000サーバでファイルサーバを提供しているだけなら、いつクラッシュするのかと不安に駆られて仕方がないが、ここ最近のクラウドコンピューティングをバックグラウンドとしたWEBと来たら、一度アップロードしたものがなくなるなんてことはまあほぼありえないところまで来ている。
写真共有サイトへのアップロードは、一枚一枚に対して閲覧権限を細かく設定できるので、極端な話、全画像をPrivateに設定していれば自分しか見ることが出来ない。運営サイトのサーバがハックされて画像が流出するよりも、自分のPCがウィルスに感染して画像が流出する可能性の方がいくらなんでも高いだろう?

かく言う僕も、もう過去3年分ぐらいの画像を2000枚ばかりオンラインに保存している。プライバシーへの配慮として、個人が特定されるような画像のみPrivateに設定している。

もちろん、WEBへアップロードするということは、オンラインでないと見れないということに他ならないが、今オンラインでない時のほうが珍しいんじゃあないか?それにケータイの速度も上がってきたから、ケータイで見ることだって出来る。
画像編集すらオンラインで出来るのだから、わざわざ高価なフォトレタッチソフトウェアを購入してインストールする必要もない。

そういうようなメリットがあるので、最初に書いたデジタルフォトフレームも、最新機種ではオンライン対応になってるものもいくつか出てきている。フォトフレーム自体に無線LAN接続機能が搭載されていて、アカウントの設定をしてあげるだけで自動的にWEBからアップロードされている画像をダウンロードして表示してあげるって言う話だな。
これの利点は、『自分で撮っていない画像すらフォトフレームで表示出来る』ってことだ。こいつはかなりクールだ。
病院のベッドに横たわり、病室の窓から儚げに外を眺め、手元にある一枚の写真を眺めて気ままな散歩を渇望する少女の描写はもう古いな。
これからは、病院のベッドに横たわりながらネットブックでAmazonショッピングを楽しみ、時々ニコ動で笑いながら、手元にあるデジタルフォトフレームで全世界からアップロードされた写真を眺めて世界を旅行した気分になる少女の描写だ。
…ただのジャンキーだ!

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