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2010年10月17日日曜日

脈拍のおかしなリズム

サーカディアンリズムにまつわる興味深い話を、今読んでる本で知った。
人間の本来の体内時計が25時間であることは、とある実験によって周知された驚きの事実だが、その24時間ではない体内時計を24時間に合わせている仕組みが、目と脳の間にある。

もちろん言うまでもなく、僕ら人類のほとんどは、目から入る光によって体内時計を調節している。
故に、全盲の人の何割かは、体内時計が狂ってしまい、日常生活に支障をきたすらしいが、まったく目が見えなくても、通常の人と同じようにリズムが狂うことなく生活出来る人もいるらしい。
色々な実験の結果、「目がみえている」と言うことと、「光を脳が感知する」と言うことがイコールではないと言う結論に至るらしい。簡単に言うと、人が風景を認識出来ずとも、光は見えている、と言うことになる。
視交叉上核と呼ばれるそれは、視神経と視床下部の間にあり、一般に「体内時計」と呼ばれるものの正体となる。
ここがイカれてしまうと、いくら太陽の光をちゃんと浴びてラジオ体操をしようとも、外界の環境とは無関係に体内時計は刻まれる。睡眠周期が、昼夜基準ではなく、体温リズム基準になる。

普段から規則正しい生活をしていると、この視交叉上核が外界の状況により体内時計を自動的に調整し、僕のように休日でも朝早く目が覚めてしまうと言う事態になる。それはそれで悲しくもあるが、体内時計の調節機能の働きに驚くことでもある。

また、体内時計は本来は25時間。地球の自転に合わせて、24時間周期で体内時計は調節されているわけだが、これを無理やり「1日は23時間半なんだからね!」と、人間の生活周期を23時間半にしてみたと言う恐るべき実験があった。
その結果は、身体全体が謎の不調に見まわれ、最終的に精神に異常をきたし始めると言う惨憺たるものだった。
よく、「あー1日が25時間あればいいのになー」なんて言うが、実際に地球の自転とは無関係にそうした生活をすると、原因不明の不眠症が常に続くことになり、最終的に「もうたくさんだ!」と、地球の自転に従わざるを得なくなる。

今読んでいるこの本は、「同期現象」にまつわる本だが、ホタルからレーザー光線までと、対象とする範囲が非常に広範囲で面白い。
最近の科学系の本って、大抵「カオス」と「量子」がふんだんに出てくるな。やはり切っても切り離せないものなのか。

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