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2012年7月8日日曜日

「流れ」を捉えるということ



雇用流動化へ「40歳定年を」 政府が長期ビジョン


映画「es」は、とある実験を元にした映画だが、その映画もとい実験で証明されたことは、皇帝ナポレオンの言う「人は、制服通りの人間にしかならないということ。
看守役は看守たる態度になり、囚人は囚人たる態度になる。


長らく日本で続いてきた終身雇用と年功序列。
亀の甲より年の功を地で行く制度が普通になっていたため、若者は黙っていうことを聞くしかなかった。
平社員は管理職に逆らえないし、管理者は上記の通り管理者たろうとする。年功序列は無能でも年を重ねれば一定の役がつくことが大抵約束しているが故、畢竟、無能の下で若者が仕事をするという図式が生まれた。
(これがもし、若者でも部長になれて、部長は部下の直訴により平社員に降格でも出来たら、たぶん年齢による態度の差はなくなる。20代フリーターのアルバイト店員が、同じオジサンアルバイトのことをどれほど下に見ているかを知ってれば、たぶん想像は難くないと思う。)


下剋上はシステム的に存在しない。若者は管理職から仕事を奪うことは出来ても、役職を奪うことは出来ないのだ。
それは給料もポストも、よほどのことがない限り一方通行ということを意味しており、そうなると、これは人間としては当然だが、成功することよりも失敗しないことを選ぶようになる。


失敗しないことが長期的に見ての成功だということがシステム的に保証されているから。

さて、まともに考えて、上記のような特徴を持つ終身雇用・年功序列のシステムは、競争社会に適しているだろうか?

イエスと答えた人は、是非僕にメールをください。意見を聞きたい。あ、メアドはdogsrepublic@gmail.comです。(全角は半角になおしてね)

まあ、実際は、考える考えない以前の問題で、今までのシステムを維持した結果、今の日本があるわけだから、日本の諸問題を憂う憂国の国民はイエスを選ぶことが出来ないわけだ。選んだら僕は躊躇なく質問するよ。「じゃあなんで日本はこんなにオワコンになりつつあるの?」外的要因を挙げても、現状の正当化なんて出来ないし、内的要因なんて挙げられたらお引き取り願うしかない。
つまりは結果が全てなんだよ。


まあ、僕は過去についてとやかく言うのは好きではないので、これからのことに目を向けたい。

僕が将来について深く考える時、よく用いる思考方法は、「現状がこのまま続けばどうなるか?」を想像することだ。たとえば…

現状1:政治が混迷。社会保証制度について結論が出ないまま続く。
未来想像:僕らは現状の社会保証制度のまま年金を受給する。


現状2:製造業は赤字続き。毎年大企業でリストラが発表され、工場は海外へ映っていく。
未来想像:国内では製造業の雇用がほぼなくなる。技術の進化によって、日本の職人も駆逐される。
雇用問題の発展した国内は、製造業以外の道に活路を見出そうとする。


などなど、まあニュースを見聞きして、それが「なんか何年も前から同じこと言ってるなあ」と思ったら、昔と今を比較して、その変化の延長として未来を考えれば良い。僕は大なり小なりそうして考えている。

29年生きてきて僕が得た教訓は、「流れ」はそう簡単に変えられないってことだ。強者への批判は謝罪があるまで続くし、弱者救済は弱者がドヤ顔になるまで続く。
新卒一括採用というシステムに疑問を持つ人が多くなってきたからこそ、卒業後3年以内は新卒として扱うなんていう、苦肉の策としか言えない妥協案が出てきたわけだ。
そしてその流れは止まらない。今から卒業後3年以内は新卒とすることを取り消すようなことは、完全にありえない。


さて、そうした僕の人生観から、このニュースはどう捉えるべきか?

額面通りに解釈すれば、若者の雇用を増やして、年長者の雇用を抑制するというように取れる。
しかし、そこに一喜一憂して議論を進めると、肝心なところを見落とす。
大事なのは、
「なぜ、こういう提言をするに至ったか?」
ということと、
「今回の提言が反故になったとして、そのバージョンアップ版が提出されるだろうか?」
ということ。


前者の質問は、現状に対する問題点を把握し、提言者の意図を読み取るのに役立つ。
後者の質問は、今回の提言が思いつきや時間稼ぎやポーズとしてのものでなく、「時代の流れ」によるものなのかどうかの判断に役立つ。


物事は論理的に進まない。自分が知りうる、把握出来る物事には限界があり、その中で論理的に推理を進めても、不完全な結論しか導かれない。

日々生活を生き、その中で、感覚で変化を理解し、それを頭で理解する。どんなことでも物事には原因があるし裏がある。
でも、それ以上に流れがある。結果は原因を生み出し、原因は結果を生み出す。その連鎖で現実は動く。


僕が想像するに、今回のこのニュースは、予兆だとだと思う。社会変化の。
消費税のアップもそうだけど、野田首相は結構、物事を進める人なのかな、と思った。良い悪いの判断は出来ないけどね。結果がまだ出てないから。

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