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2009年4月14日火曜日

奇妙な夢

電車の中で、大学生くらいの子が車内販売をしていたのを見て、その瞬間に人生が終わったのだとわかったのは、しばらく時間が経ってからだった。
販売していたのは濃密なジュース。販売、とは言っても値段は無料だった。

ジュースと一緒に、一枚のフライヤーを手渡される。そこに書かれていたのは、事実上死の宣告だった。
あなたはこのジュースを2日間飲まなければ死んでしまいます、と書かれていた。
たまたま乗った電車で、それを見掛けたのが最大の不運だったらしい。それ以降、その車内販売を見掛けることはなかった。死神のようなものだったんだろう。

僕を含めた不運な人へと、生き延びるためのジュースを配っている場所は、既に使われてなさそうな病院の一角。
僕はコップを受け取り、ジュースを飲んで寿命を延ばす。
会社の同期も不運に見舞われたらしく、ジュースで命をつなぎ止めていた。

僕は同期に「2日間以上開けれないってことは、2泊3日の旅行も無理ってことだよな…生きてる間はずっと。死ぬ覚悟をしない限り。」と話し掛けた。同期は困ったような顔をして病院から出ていった。

いくらなんでもジュースを定期的に飲まなければ死ぬなんて馬鹿げすぎている、これは都市伝説的なジョークではないか?そんな疑いが強くなってきたのはしばらくしてからだったが、試してみる気はさらさらなかった。死か生かではリスクが高すぎる。そもそもオッズすら定かではないのだ。
だけど、真偽を確かめることは出来るかも知れない…。前例があればそれが証拠になるんだが。あるいは人柱…

先輩がPCを弄りながら僕に言ってきた。「ジュースを飲まなかったら、君のアカウントが消されるだけじゃないの?」なるほど、確かにその可能性はありそうだ。でも先輩、僕の意識や存在が、誰かがログインしているアカウントだとすれば、それを消されるってことは死ぬことと同義じゃないんですか?
「君がPCにログイン出来ないからって、中のソフトウェアが消えるわけじゃない」確かにその通り。勇気が出てきた。僕はカラオケボックスにいた同期に決心を伝えて、延命ジュースを絶った。

そこで目が覚めた。どうやら夢の中の僕がジュースを絶ったことで、僕は夢を見る権限を失ったようだ。
久々にリアルな感情が伴う夢だったなあああ
夢を記すのはあんまり良くないことだと知ってはいるけど、こういうストーリー性のある夢は珍しいので記録しておく。

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