サルガッ荘の住人のキャラや、世界観などがわかってきたあたりから、子供の時に「忍たま乱太郎」を見た時に感じた感慨が僕の中に芽生えてきた。
特筆すべきは3巻での、スイの過去。その中で登場する「堕天使鳥」と言う鳥の逸話が秀逸。
堕天使鳥は大型の鳥で、足がない。大昔には足があったが、地上には天敵が多く、常に空を飛び続けると言う進化を選び、足がなくなった。
だから、堕天使鳥が卵を産む時は、海の上のずっと高いところから卵を産み落とし、ヒナは海面に激突する前に卵を割って自分で飛び立たないと海に激突して死んでしまう。
無事に自分で孵化することができたヒナの入っていた卵は上空の風に乗って、時々陸地に落ちてくる。それをスイの星では、幸運の証として重宝する。
その「堕天使鳥」の逸話を聞いて、スイはこう思う。
「どっちが良かったんだろう?天敵に怯える地上の生活と、足を失くしてまで飛び続ける空の生活と…」
僕は一回読んでこのエピソードがすごく気に入った。
TAGROさんの漫画は、一話単位で見たとき、ストーリーが教条的なものであればたいてい最後はコメディタッチで終わらせ、逆にストーリーが全体的におちゃらけているときは、最後にしんみりと締めることが多いように思う。
そのコントラストがまた物語全体に深みをもたせる働きをしていて、良いんだ。
宇宙賃貸サルガッ荘(1) (KCデラックス)
posted with amazlet at 10.06.06
TAGRO
講談社
講談社
おすすめ度の平均: 





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